そんなパワーメーターとほぼ同じデータを、GPSデータを元に得る事が出来る。その為のソフトウエアです
もちろん条件はある。精度の高いGPSデータを用意出来る事だ。
ハイエンド・チップを搭載しているロガーが望ましい。走行環境――道路幅員,建築物の集積度や高度利用,街路樹,たまたまの衛星配置,天候,太陽の状況(フレア等),等々からGPSロガーは直接的に影響を受けてしまう。
最近のハイエンド・チップであれば,緯度経度による座標精度はかなり高くあまり心配は要らないのだが、高度となるとあまりアテに出来ない。チップにも依るが、捕捉する衛星の個数が変化したり、高層ビル群の間を走行すればマルチパスの影響で、簡単に数メートル程度は変化してしまう。その様な変化を真に受けていればパワー推計など出来やしない
しかし、道路というのは滑らかに出来ているモノだ。
莫迦げた値(外れ値)は摘出除去してしまえばいいし、非現実的な振幅はスムージングしてしまえばいい。それこそ道路の実相であり、コンピュータはそういう処理が得意なのだ。もちろん実際の形状を推定出来る程度には精度の高い記録が必要ではある
そして、パワー推計に際しては、速度,加速度,斜度の3つのファクターの影響が大きい。次いで、空気密度や風の影響,路面状況等だが、これらは実際の値を設定し易い。もちろん人間の体格や器材については当然の事として正確な値を前提にしている。
この3つのファクター、速度,加速度,斜度、全てがGPSデータに依るものなので、冒頭からGPS精度に触れた
いずれは数センチ以内の精度を持つGPSロガーが手頃に入手出来る様になるかも知れない。そうなればスムージングもしないで完璧なパワーデータの記録を得られるようになる。
現在でも、GPSデータの高度データのみを補正する事が可能なマップが存在する。そうしたモノの利用も一考だ。尤も、パワー推計の為には正確な高度データが必要なのではなくて、正確な高度変化のデータが必要なので、唐突に大きく変化する外れ値を除去してやれば十分に使えるロガーは多いと考えている
先ずは使ってみて下さい。
FITファイルを読込んで、パワーとケイデンスを推計したデータを加えてFITファイルとして出力(セーブ)出来る。そして、出力ファイルを、ゴールデンチーターなどで分析してみて下さい。FITファイルに記録可能なサイクルコンピュータ(Garmin等)の出力ファイルも、GPSデータが無くても、平坦コースに限っては分析可能である。
手持ちのGPSロガーの出力ファイルが、.GPX, .KML等であれば、何等かのコンバーターで、FITファイルにコンバートすればいいでしょう。GPSファイルのコンバータで有名なのはGPSBabelですがFITファイルへのエクスポートは出来ません
※Golden Cheetah -- パワーメーターの出力データから運動生理学の分析が可能でトレーニングの管理が出来る
※GPSBabel -- GPSデータ(ファイル)の定番コンバータ。とても多くのファイル形式をサポートしている
※GPSBabel -- GPSデータ(ファイル)の定番コンバータ。とても多くのファイル形式をサポートしている
パワー出力の記録の他に、このソフトウエア独自の使い方もある。記録されたデータと同様の走り方をした場合に、器材や服装等を様々に変える事でどの様なパワー変化が期待出来るかを推計シミュレート,比較する事が出来る。
例えば、軽量化が効果的なのか、エアロダイナミクスを改善する事が効果的なのか。コースや走り方によって最適化の方向が異なる事や、その度合が数値で理解出来るようになる。つまり、器材アセンブルの為の比較データになる
ver.0.16.00以降、ブレーキングの検出を可能にした。各レコードに於いてブレーキングのフォース(kgf),前後別に、温度,発熱量,空冷熱と放射熱を表示する。PreferenceダイアログのGPS dataのタブで設定できる。但し、正確な推計を得るには、非常に精度の高いGPSデータが必要ですけれどね
ver.0.20.00以降、e-Assist(電動自転車)のアシスト機能をProfile設定する事で、Simulation(Power and Velocity, Acceleration, Deceleration), GPS(Analyse and Predict, Create FIT File Analysed)に於いて分析・推計する事が出来ます。
また、ProfileとConditionを区分しました。この為、古いバージョンで作成したProfile Fileは互換性がありません。ver.0.20.00以降を使用する場合、新たにProfile Fileを作成して下さい
powermeter for Androidを作成しています。smart phoneのGPS機能により、パワー表示とFIT fileへのロギングを行うアプリケーションです。チュートリアルページはこちら。近いうちにGoogle Playにアップロードします