点滅は何の為のものか。自転車のライトに使う場合がほとんどだろうか。それ以外の用途があったとしても、問題になるのは被視認性であって、実用を考えれば、高い被視認性を維持しながら消費電力を抑えたい。原則的には、点灯時に十分な電流を流しながら点灯時間を短く瞬間的にする事で、高い被視認性を維持しながら消費電力を小さくする事が出来る。
例えば、0.3sec周期で点滅させる場合に、同じ定格電流を流すのであれば、点灯時間が0.1secのものと0.05secのものは、被視認性に於いてはさほど変らないが、消費電力は2:1の比になる。
0.5sec周期で0.2sec点灯のものよりも、0.3sec周期で0.1sec点灯のものの方が、被視認性に於いて圧倒的に優れながら消費電力は小さい
といっても、点灯時間の短さには限度がある。突き詰めた実験はしていないが、多分、0.05secぐらいがリミットだろう。これは回路とその(所謂)プログラム,印加する電圧や電流等にも依る
そして、こうした要件を調整可能なディスクリート回路は、弛張回路(relaxation oscillator)だろう。ディスクリート組みとしては唯一のものになると思う。もちろん、点滅周期を余りに速くすると点灯時の電流を十分に流すのが困難になったり、瞬間的な発光だからといって大きめに電流を流したりするのが困難になるなど、その調整はなかなか難しい。しかし、バイブレータやリング回路などと比べると被視認性に優れながら圧倒的に省エネになる回路を作る事が可能だ。むしろバイブレータやリング回路は効率に劣るので止めたほうがいい。
もし、シビアに調整していく必要があれば、AVR, PICといったプログラマブルなICを利用するか、もしくは、都合のいい特性を持つ既製品ICの流用でしょう
このページ「tail lamp」ではテールランプを中心に様々な回路を記している
半導体としての違いは無い。単に定格電流の桁が異なるだけと言えなくも無い。
形状の違いから、砲弾型LEDは半減角15度などの指向性の強いものがあり、PowerLEDは指向性を強くする為にはコリメータの装着が必須になる。また、通常PowerLEDは大きな電流を流すので熱対策が必須になる。PowerLEDを扱うに際して、熱処理がすべてだと言う人も多い。最近は、砲弾型LEDにも比較的大きな電流を流せる高照度の製品があり、そうした製品は放熱に配慮した太い金属足があったりする
定電流回路が推奨される理由。放熱が重要視される理由。
最大定格(conductionだったっけ?)を超える温度はLEDを急速に劣化または破壊するが、高熱はそれ以前の問題がある。高熱はLEDのVf(順方向電圧)を低下させるので、定電圧によってブリーダのみで駆動すると過電流になり、これがまた温度上昇に繋がり更にVfを低下させる悪循環をもたらす。尤も、数十mAしか流さない様な機器のモニターランプなどに使用する砲弾型LEDなどはそれで問題が無い。
高効率なスイッチング電源が面倒なら二石の安易な定電流回路(右図,A = Vbe / R)で構わない。大きな発熱が予想されるLEDの場合は定電流回路を使うべき
余談だけど、市販されている定電流LEDドライバの回路自体に結構な発熱があり本当に高効率なのかどうか怪しいモノが多い。こんなモノを使う為に為にありがちな12V電源をわざわざ作る必要があるだろうか
充電池は永く使いたい。最も重要なのは過放電でセルを傷めない事だが、ライトなどに使うとついついやってしまいがちになる。
最近はNiMHだけでなくLi-ionを使ったライトも多い。Li-ionは適切な保護回路があれば終止電圧までドロップすれば放電停止してくれる。つまり、予期出来ないタイミングで唐突に使えなくなる。だからと言って保護回路無しのLi-ionで過放電させると発火,爆発のリスクがある。
体積あたりの電力容量でLi-ionに迫っている事もあり、NiMHを使うのが無難で妥当と思う。自作ですからそうしたリスクは回避したい
リスクがほぼ無いからといってNiMHを過放電させてしまうと寿命が極端に短くなる。
NiMHの放電特性は容量が減少しても電圧降下が小さいので、光量が減衰したとわかる程に電圧降下が起こった時点ではとっくに終止電圧を下回って過放電していると思っていい。特に昇圧回路を使った機器では電圧降下はわかり難い
要は交換のタイミングがわかればいい。
バッテリーのインジケータがあれば最良だ。簡易に、終止電圧に近付いたら警告ランプが点灯するでもいい。そうしたモノが無ければ、使い慣れて(?)、少々早目に交換する事で過放電は免れる。但し、早目に交換した場合に、継ぎ足し充電するとメモリ効果を引き起こすので、放電機能のある充電器を使う様にすればいい。放電機能とは適切な終止電圧で停止してくれる機能である。
余談だが、終止電圧とは、一定の負荷の場合に放電を停止するべき電圧の事で、負荷の大きさによって変化する。
詳しくは、
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