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いつのまにかLEDの小物も増えた、――

いずれも作るのに半日も掛からない様なものばかりだが、かなり重宝できると思う物が多いので1ページに纏めてみた


中でも、LED光によって眼精疲労回復,視力回復が可能だとするOxford Academicの臨床実験結果は驚きだった。
スマートフォンやモニターの光で目を酷使し過ぎる現代人にとって、良くないとされてきたLED光でその回復が可能になるなんて諧謔的ですらある。
「眼精疲労回復」から見てくれてもいいかな
 


 
LED小物集
23th December 2023
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眼鏡マウントLED
 
1. 医療用ルーペ
2. 眼鏡アタッチメント
3. モジュール化
 
汎用LEDランプ
 
1. 定電流回路
2. JISプラグ
 
ランタン
 
1. 330円@100均
2. ケースのみ流用
 
人感センサ
 
1. 330円@100均
2. パーツのみ流用
 
眼精疲労回復
 
1. 研究者は視力回復と豪語する
2. 670nm, 40mW/cm2
3. 生活の一部に
4. 植物育成用LED
 


眼鏡マウントLED


右画像は医療用ルーペのひとつでLEDライト付のもの。手術用の精密光学機器で細やかな作業をするには非常に有用なものだ。価格も数万円

これの真似をしようと思った。ルーペは不要だが、LEDがあれば精密な作業の助けになる

眼鏡に着脱可能で軽量なものがいい。
バッテリーはもちろん別にする。ケーブルは煩わしいかも知れないが、これに関しては軽量である事を優先するべきだろう
 



右画像は眼鏡に着脱できるサングラスのアタッチメント部分。サングラスのレンズは捨てた。こんなものが100円で売っていたのだ。使わない手は無い

PowerLEDを使っているので可能なら定電流回路を備えたいところだが、LEDと共にアタッチメントに着けると重くなってしまう。半導体なんて僅かなものではあるが

PowerLEDといっても100lumen/1W程度で十分なので、電源の標準になりそうな5.0Vを想定して抵抗1本でドライブする事にした

LEDのみで使うと配光が広がり過ぎて目的に適わないのでリフレクターを着けた。もしかするとより配光を絞れるコリメータの方が良かったかも知れない

ヒートシンクに重いものは使えない。否、軽量小型のヒートシンクであろうと重過ぎる。
留め金のボルトから伝わる熱を逃がすパンチングメタルを一枚裏側に着けた。心許ないものだが、有ると無いでは大違い

計量はしていないがかなり軽量なものが出来た
 


3. モジュール化

モジュール化と言うと大袈裟だが、このアタッチメントと電源は各々汎用的なものとして使えるようにする。
と言うか、実は汎用的に使える電源が幾つかあるのでそれらを使う

左画像の2つが使用している電源。5Vなので携帯用の余っているACアダプタも使えるが、電源をポケットに入れて使えるバッテリー式が便利だ。
左側の単三型2本仕様のは5.0Vに昇圧する回路が組み込まれている。ガラケー時代の緊急用電源として作ったものでUSB出力も出来る。
右側の単三型4本仕様のは出力電圧可変の安定化電源。ヴェポライザーの電源として作ったもので電子工作の実験用電源としても重宝している

モジュール化というなら、汎用的なUSBをコネクタに使うべきなのではないかと言われそうだが、USBが蔓延する以前からこの手の機器のコネクタとしてJIS規格のプラグを使ってきたので、今更変えられない。
要は、電源部にLEDの為の回路を加えたりして専用化しない事だ
 




汎用LEDランプ


折角に軽量小型の汎用電源があるのだから、それで使えるランプがあってもいい。
電源は出力5.0Vのものと可変安定化電源があるので、定電流回路を組み込んだLEDランプであれば汎用的に使える事になる


尤も、Vfを上回る電圧を印加した場合は、余剰分がトランジスタの発熱になってしまうのだけれど
 



ずっと以前から統一的に使ってきたのでプラグは今更変えられない

電源とランプをケーブルで繋がずに、プラグでランプを支えてしまえば、差し込むだけで一体的なランプになる。要は、片手で持てる



100lumenのものと200lumenのものを作った。
風呂場の電球が切れた時などにも使ってみたが十二分の光量がある
 




ランタン


100均の商品。何故かわからないが、そこそこ人気商品になっている様子。
この程度の光量を得るにしては大きな躯体で、それを更に引き伸ばせば点灯する仕組みになっている。
単四型電池3本が電源なのだが、それをダイレクトにLEDに流し込んでいる。中華製品にありがちなのだが、抵抗すら無い。計測などしなかったが、ランタイムは1時間ぐらいしか保たないのではないだろうか

ハッキリ言って、酷い製品だよ

段階的に改造していったのだが、抵抗すら入ってない事に気付かず、ACアダプタで使用していたら6個のLEDが次々に壊れていきました。
最終的に、LED含めて回路は全て自作した
 



結局、ケースのみ流用する事になった。と言っても、過剰に大きなガワは捨てて、光を通す部位のみを流用した。電池ボックスがあるのは有り難い側面かな。
ACアダプタ用のジャックを取り付け、乾電池とACアダプタとの切り替えを可能にした。
元々の躯体に比べて遥かに小さく仕上げる事が出来た

回路は、汎用LEDランプのものと同じ
 




人感センサ


100均の商品。人が近づくと点灯する。パーツだけとってみても、コストパフォーマンスに優れる

機能的に同じ様な製品がホームセンターなどで2000円前後で売られているのだから、コストパフォーマンスに優れるのは間違いない。実際に1年以上使ってみたが機能的には非常に良く出来ている。防犯カメラの作動トリガーにしてもいいぐらい

もちろん明るいと点灯しない。薄明るい程度でも点灯しない。その辺りの調整もよく出来てる



残念なのは単四型3本でのバッテリー駆動という点。
もちろん、ACアダプタで使用する
 



無用に躯体が大きい。電池ボックスが入ってるのだから大きくなるのは仕方ないのだが

ACアダプタで使用するので、必要なパーツのみ取り出してそれを基板に再配置した。
かなり小型軽量になり、両面テープで壁面などに固定できてしまう



防水加工を施して、玄関脇の屋外に取り付けたものもある。雨が降ると、それを温度変化として検知してしまうのか、誤作動が頻発するので庇を付けた



小さなケースに収め直せば見栄えも良く出来るんだろうけれど
 




眼精疲労回復


先ずは次のサイトを見て欲しい。LEDの光で視力回復が可能だという臨床実験の結果である。
Optically Improved Mitochondrial Function Redeems Aged Human Visual Decline | The Journals of Gerontology: Series A | Oxford Academic

概要を記すと、
老化に伴い眼球細胞のミトコンドリアの機能が低下していくのだが、これを670nm波長のLED光で回復させる事が可能となる。ミトコンドリアは謂わば発電所の様なもので、細胞が機能する為のエネルギーを供給する。
このミトコンドリアを活性化するのが670nm波長の光という訳だ。被験者は毎朝3分間この光を眼球に当てる。出力は40mW/cm2。

研究者達は、40歳以上であれば、視力回復が可能だと言う。それ以下の若年層はさほど機能低下が無いので不必要という訳だ
 



電子工作が出来るなら、これは作りたいものだ。
670nm波長のLEDなら入手できる。眼球面で40mW/cm2という出力も調整出来なくは無いのだが、厳密に調整するのはそれなりにハードルが高い。
それに、毎朝3分の間だけ照射するというのもズボラな人間にはハードルが高い(笑)


研究者達はこのアイテムを売り出す事も示唆している(右画像)。
国際線のファーストクラスで使用されているのが目撃されたりしてもいる。ワンオフだろうか
 


3. 生活の一部に

ズボラな人間なので、これを生活の一部にする事にした。
就寝前の読書灯にしたのだ

紙面からの照り返しの光を目で受ける事になる。光源はそこそこ強力だが、眼球が受ける光の出力は「40mW/cm2」よりはずっと弱い。長時間に亘って使う事で、安全な出力の範囲で視力回復を図ろうとした


研究者達が豪語する視力回復なのかどうかはわからないが、使い始めて明らかに眼精疲労が無くなった。かなり効果がある事は、特別な検査をしなくても、実感できる


回路は、汎用LEDランプと同じで、ACアダプタで運用する。2灯を横並びに各々にスイッチを付けた。1灯あたり200ルーメンの照度がある高出力なもの。これに半減角10度のコリメータを着けている。もちろん直接見るものではない。
ベッドの枕側の壁に簡易的に取り付けて使用している


左画像では漏れ出た光が周囲を染めているのみだが、コリメータの照射範囲は強い光が照射されている
 


4. 植物育成用LED

上記のLEDの波長は680〜700nmで670nmより少々長い。それでも効果は確かめる事が出来たが、より厳密に670nmのLEDを使うに越した事は無い。670nmの波長である植物育成用のLEDで作成した。
回路もより高効率で高出力が容易なOPアンプとMOSFETを使った定電流回路でドライブする



LEDへの電流は個別に制御するべきなのだが、ここでは2灯を直列に繋ぐ。
1灯のVfが2.0〜3.0Vなので、電源電圧が大幅に上回るとその余剰分がmosfetの発熱となって大きな損失になるからだ

回路図に示すように、定電流回路の制御はSWによって2モードにする。また、OPアンプのVrefをVRによって微調整する事でも電流を増減できるようにした。
このVrefも可能な限り小さい方がR5, R6での損失が小さくなる

バッテリー駆動ではないので損失はあまり気にしなくてもいいのだが、各パーツでの損失を抑える事で発熱を抑えたい

余談だが、PowerLEDを専用の基板に半田付けする際には予め基板側に薄く半田を乗せておく。いきなり半田を流そうとすると巧く着かない場合がある。熱が逃げ易いので短時間で半田を流し込む


簡易的に壁面にクリップ留めをして読書灯として使ってみた。
以前のものと比べてあまり違いは感じなかった。画像で見比べると微かに色調が異なっている

以前のものは最大で400ルーメンだったが、今回のものは最大で800ルーメン。約600ルーメンで使用している。TIR(コリメータ)は10度のもので読書灯にする場合は必須

植物育成用のLED光が眼細胞のミトコンドリアを活性化させ、視力回復の臨床試験でその効果が証明されたのは興味深い。670nm波長光の不思議だね。
これも余談だが、植物育成の為には、この670nm波長光をメインに青色LEDの光を併せて照射する。視力回復の為には670nm波長光のみ


 




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