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ニッケル水素充電池を調子良く使い続ける為に――

自己放電器がずっと欲しくていつかは作ろうと思っていた。そんな折、終止電圧可変の回路(此処)をネットで見付けた
何も考えず其の通りに製作した。でもシェルはいいのが欲しいね

放電器は、適切な終止電圧まで放電する機器である

充電池を劣化させる最も多い原因は過放電であり、この過放電を回避する為の機器だ。と言うと飛躍がある。その説明は後にする。
それが為かどうか、メモリー効果解消の為のものと考えられている事が多い。確かにその通りではある

放電器は無ければ困るというものでも無い。それに、今や充電池といえばリチウムイオンであって、そんな面倒な処置は不要だと言えるのかも知れない。そのうち全固体電池が登場し、リチウムイオンのリスクも無くなってくれればいいのだけれど。
そんな時が来るまでは、ニッケル水素は個人的にメインバッテリーであって、放電器は必需品なのだ
 


 
オートカット自己電源方式放電器の自作
17th August 2007
 
充電池のエトセトラ
 
1. 充電池のリスク
2. ニッケル水素充電池の過放電
3. 組電池の罠
4. 充電器と放電器
 
充放電器の製作
 
1. 充電回路は改造流用
2. 放電回路
3. 接点抵抗
4. 製作画像
5. 雑 感
 
放電器の製作
 
1. 回路図
2. シェルの流用
3. 製作画像
 


充電池のエトセトラ


蓄電池の王様は鉛蓄電池である。などというネタはさて置いて、リチウムイオン,ニッケル水素の二種が一般的な主流だろうか。
旧来のニッカドなどと比べると、

・高いエネルギー密度
・人体に対する有害物質(カドミウム)を含まない
・急速充電が技術的に容易
・自己放電が少ない
・継ぎ足し充電してもメモリー効果を起こし難い

とされている。最後の二つを除けば事実であり、リチウム系について言えばすべて事実である。
ニッカドも特殊な用途には未だに使われていて、過放電,過充電に比較的に強い事から、太陽光充電に依る自給自足のガーデンランプなどに使われている。手荒に扱えるのだ

リチウム系の充電池は、スマートフォンやポータブルプレーヤ等の電子デバイスの普及と共に爆発的に普及している。その理由は、非常に高い電気密度が第一に挙げられる。他に、充放電制御の為の専用チップ(IC)の普及などがある。
しかし、ニッケル水素充電池等に比して、奇異な面がある

ニッケル水素充電池が汎用的な形式で普及しているのに対して、リチウム系充電池はビルトイン乃至機種固有の充電池として製造される事が圧倒的に多い

もちろんリチウム系充電池にも汎用的な形式があり、18650や14500などといった形状のわかり易い型番が与えられ、ユーザが自由にセルを交換出来る機器も無くは無いが、そうした汎用セルでもビルトインされている機器がほとんどである。何故か?
リチウム系充電池は、過放電,過充電,過電流等により容易に劣化し、その事で発火,爆発といったドラスティックな結果を招き易いからである。電解溶液に使われている有機溶剤はほとんどガソリンであり、リチウム系充電池をハンマーで叩くだけで内部ショート発火による誘爆を引き起こす。
一般的な店舗で生セルが売られる事はまず無いし、保護回路(過放電,過電流等の防止回路)付きのセルが推奨される事が多い。もちろんビルトインされている機器には保護回路が実装されている

では、ニッケル水素はどうなのか。
同様に、過放電,過充電,過電流に弱く容易に劣化する。爆発こそ聞いたことは無いが、ショート等過電流により発火した事例はある。しかし極めて稀な事で、セルにも機器にも保護回路などというものが実装された事は無い。
余程駄目な充電器を使わない限り、一般的な利用で起こりえるのは過放電ぐらいであるから、ドラスティックなリスクはほぼ無いと言っていい

そして、この過放電こそ、ニッケル水素充電池を使うに際して多くの人がやってしまっている事で、結果として著しくその寿命を短くしている
 



充電池には放電終止電圧というものがある。一般に終止電圧という。適切なと形容される事が非常に多く、放電に於いてそれ以上でもそれ以下でもニッケル水素充電池は期待通りに作動しなくなる。
別の言い方をすれば、過放電により容量が減るなどの劣化が急速に進み、継ぎ足し充電によりメモリ効果を引き起こし電圧低下が起こる

メモリ効果による電圧低下に関しては、その対処は比較的容易に復旧可能である。2〜3回の充放電(満充電と終止電圧までの放電)を繰り返せば劣化していない限りメモリ効果は解消される。
メモリ効果とは、浅い放電深度で繰り返し充放電、少し使っては充電する俗に言う継ぎ足し充電、を続ける事で、浅い充電や低電圧満充電を電池が憶えてしまう現象をいう。これを解消して、充電池を正常な状態に戻すのをリフレッシュと言い、放電器が必要になる
でも、そんな使い方するのか?
電動ラジコンユーザーでも無い限り、浅い放電深度で繰り返し充放電するなんて事は滅多に無いだろう。電動ラジコンやミニ四駆などの場合は、少しパワーが落ちれば取り替える。その充電の前に終止電圧まで放電する為に放電器は必携な訳だ。
かつてポータブル・ミュージック・プレーヤーにニッケル水素充電池が使われた事がある。一度の外出での使用の多寡に拘らず、帰宅すれば充電して、次の利用での最大限の持続時間を期待するという使い方は、正に継ぎ足し充電だった。しかし、そのテの機器の充電池には今やリチウムイオンが使われるようになった。これは、スマートフォン等のバッテリーも同じで、メモリー効果が全くと言っていいほど無くデンドライトも起こさない

むしろ、ニッケル水素充電池でやってしまいがちなのは過放電である。
セルにはもちろんだが使用機器に保護回路なんてものは付いていない。そもそもAA, AAA(単三型,単四型)等の汎用電池を使う機器のほとんどが乾電池を想定している。御丁寧に電池蓋の裏に「充電池は使わないで下さい」などと記しているモノも多い。ニッケル水素充電池は1.2V,乾電池は1.5Vと定格電圧が異なるので、稀には充電池で動作しない機器もある。
乾電池は使い切りの電池なので、当然絞り尽くすまで使う。そして、同じ様にニッケル水素充電池を使うと、過放電になる。最悪の場合は深放電(ほぼ0Vまで降下)させてしまい使い物にならなくなる。
典型的なケースは、ライトでの使用だ。フェアリーランプであろうとLEDであろうと、少し暗くなったと気付いた時には既に過放電を起こしている。ニッケル水素充電池は放電曲線が比較的フラットなので、電圧降下が起こったとわかった時点では既に取り替えのタイミングは過ぎている

過放電させない方法にはどんなものがあるだろうか?
バッテリーチェックなど面倒でやれるものではない。機器にバッテリーインジケータや終止電圧に近付くと警告ランプが点灯するなどの回路を取付けるのは理想的だが、これも結構面倒臭いしスペースの問題もある。
現実的と思えるのは、ある程度のランタイムを把握しておいた上で、早目に取り替える事だが、この場合にも有効なのが放電器であり、取り外した充電池を終止電圧まで放電させてから充電するようにする。早目に取り替える。言うは易し…

個人的によくやるのは、終止電圧に近付くと消灯するパイロットランプを機器に取付ける事です。これなら、ツェナーダイオードとブリーダ,砲弾型LED,スイッチを直列にして、バッテリーと並列に繋ぐだけでいい。電流も数mAも流せば十分だしね。
適切な終止電圧と言っても、決まった電圧がある訳では無く、負荷によって終止電圧も変わる。特定の機器での終止電圧を知るには、放電器で終止電圧まで放電した充電池を機器に入れて駆動させ、その際の電圧を計測すればいい

もちろん、駄目になったら棄てればいい、と考える人も多いだろう…。それはそれで正解だとも思う
 



多くの機器では電池複数本を直列で使用する。
数十回と充放電を行なっている内に、それらの充電池の性能にバラツキが出始める。そして、残量や取替時の電圧にも差が現れ、あるものは過放電で劣化し、あるものは継ぎ足し充電をする事になって電圧低下が起こる。これが更なるバラツキを作り出すという悪循環を生み出し、加速度的に充電池を駄目にしていく

これはリスクの高いリチウム系でも同じことが言える。だからかどうかは知らないが、リチウム系充電池を1セルしか使わない機器が多い。放電能力が高いというのもありそうだ。1セルなら単純な保護回路で大丈夫だしね。
リチウム系を組電池にしている代表的な機器はラップトップ(ノート)パソコンで、生セルを並列,直列に接続している。この為に、保護回路も1セル用とは異なり複雑なものとなっている。バランス回路と言われるもので、直列に接続された各々の段ごと個別に充放電を制御している。各セルの過放電,過充電,過電流等を防止する為のもので、バラツキを防止するものでは無いが、結果としてバラツキも生じ難くさせている。
バランス回路の信頼性は非常に重要なものなのだが、ラップトップパソコンに於いてリコールが最も多発しているものでもある。
モバイル電源にもリチウム系の組電池がビルトインされているものが多い。スマートフォンやタブレットを充電する為の持ち運び可能な電源である。容量で2〜3000mAhなら1セルだが、大容量のものには組電池とバランス回路が実装されている。あまり聞いた事の無いメーカの製品がいろいろ出回っているのが実情です

では、ニッケル水素充電池を組電池で使う場合はどう管理すればいいのか。
ラジコンの世界では、パッキングされた組電池を各セル個別に充放電する機器がある。バラツキを防止するものでは無いが、ラジコンの使用上、過放電まで追込んで使う事は無いだろうからそれで良いのかも知れない。そして、レースに出場している様な人達は、汎用セルを使っている場合は当然で、パッキングされたバッテリーならこれをセル単位にバラして、各セルを容量の揃ったセットに組み替えたりする。
これを、マッチングと言う。バラツキが生じるのは前提であって、これを組み替えてバラツキの無い状態にして使用する

マッチングの為には、使用するセットの数倍のセル本数とセル容量を測定可能な機器が必要になる。各セルの使用累積時間は問題にならない。同じ銘柄の沢山のセルを近い容量のもので揃えたセットにグルーピングしていく。ラジコンユーザなら、容量の大きなセットが本番用で、小さなセットが練習用になる。
つまり、こんな莫迦げた買い方,使い方は、一般的では無いという事だ(笑)

一般的な使用と言っても、ローテーション用に2〜3セットは用意しているかも知れない。そして、もしも容量測定可能な機器を持っているなら、その2〜3セットをマッチングするのは、充電池の寿命を飛躍的に伸ばすだろう。では、そこまで出来ない場合はどうするか。
当然、妥協した方法しか行なえない。対処は、より早目に取り出す事で過放電だけは絶対にしない事に尽きる。より早目に機器から取り出し、放電器で各セルを適切な終止電圧まで放電する。これで先述した悪循環は避けられる。妥協だけれどね。
先ず、取り出したセットを放電器にかけた時にバラツキに気付く様になる。劣化したセルは放電が早く終了する。もしくは既に終止電圧まで放電しておりそれ以上に放電器で放電できない。この劣化したセルは、充電すると他のセルよりも早く充電が終る。

結論と思うのは、高機能,多機能な機器を使う事かな
 



欧米では、パソコンで制御出来る充放電器などが出回っており極々普通の人達が使用している。充電池というモノの適切な扱いが周知されているという事でもある。この温度差はどこから来るのか。なんて事はここでは手に余るけれど、…
最近はスマートフォンで制御出来る充放電器なんてものもある

POWEREX MH-C9000
-- www.mahaenergy.com/mh-c9000/

AA, AAAを4本各セルを個別に管理出来る多機能高機能の定番充放電器
電流の設定、容量,電圧,電流,充放電時間を確認可能で、充電,リフレッシュ分析,ブレークイン,放電,サイクル充電の5モードがある。オークションの相場で5,000円ぐらい

HiTEC X4 ADVANCED
-- www.hitecrcd.co.jp/products/hitec/charger/X4_advanced/

AA, AAAを4本各セルを個別に管理出来る多機能高機能,スマートフォンで管理可能な充放電器
電流の設定、容量,電圧,電流,充放電時間,内部抵抗値を確認可能で、スマートフォンで充放電のグラフ表示も出来る。MH-C9000を更に多機能化したレベルのモノと考えて良さそうだ。ミニ四駆,MINI-Z等のラジコン市場がターゲットセグメントである。海外通販が安いです

ブレークインとサイクル充電はこの様な多機能充電器があると容易に(自動で)行なう事が出来る。
ブレークインとは、新品の充電池は大きな電流で充電すると傷めてしまう(と言われている)ので、小さな電流で長時間かけて2〜3回の充放電をして、充電池をベストコンディションにしてやる事です。
サイクル充電は、複数回の充放電を行なう事で、ブレークインと目的は同じ。新品の充電池だけでなく、放置していたり、過放電で劣化した充電池のコンディションを戻す事も出来る場合がある

まともな充電器と放電器があれば一通りの事は出来る

先ずは、セル単位で個別に制御可能である事。次いで、充電電流の切替えが可能で、売り文句にされがちな急速充電だけではなく、低電流での充電が可能なモノが望ましい。満充電検出も優れた方式で、不良電池を摘出したり、サーミスタ内蔵など、安全性の高いモノが良い。放電機能(リフレッシュ機能と記されている場合も多い)があれば尚良い。
市井の大型電器店などで入手出来そうなのは、
BQ-CC55, Panasonic
BCG34HRE4RA, SONY、リフレッシュ機能付
オークションまで手を拡げるなら、
NC-MR58,SANYO、リフレッシュ機能付。相場1000円ぐらい
――どれもこれも妥協の買い物といった感は拭えませんが、高機能充放電器と比べれば安いので。
明らかだと思える事ですが、日本の家電メーカは、ニッケル水素充電池の充電器を開発しようとは考えていない。十年以上前からその機能に進歩は無いし、急速充電が優れたモノであるかの様に印象付けたり、簡単とか安心とか、いつもの詐欺紛いのキャッチで広告を打つ事しかしていない様子です

余談ですけど、リチウム系の充電器では、XTARがいいですね。
例えば、最近実売価格が低くなった機種で、
XTAR VP2,2セル独立制御,LCDに電圧電流の表示, 3.2/3.6/3.8V, 0.25/0.5/1A等のオプション
 




充放電器の製作


未だPOWEREX MH-C9000など無くて、SANYO MR-58, Panasonic BQ-CC21,自作の放電器しか持っていなかった頃、それでもブレイクインやサイクル充電したいじゃないですか。やってやれない事は無かったのですが、やはり1つの機器にセルを設置して全てのプロセスをやってしまいたかった。唯それだけの理由で作った。と言っても、MH-C9000の様に自動って訳にはいかないんですけどね…
仕様は、
・4セル独立制御
・充電電流は275/550/1100mA
・ΔV制御充電方式
・サーミスタによる安全回路
・放電電流950〜700mA
・終止電圧可変
――なんてモノを自作するのは大変過ぎるので、手持ちのBQ-CC21(右画像の右)を改造流用する事で充電回路とします。
不良電池の検出やスマートチャージとかいう機能もあり、市井では評判が良い様子です。尤も、放電器なんてモノを使用してると、そのありがたみは全くわかりません。っていうか、スマートチャージって単なる継ぎ足し充電としか思えないのだけれど
 



このページの別の節でも取り上げている自己放電回路なのですが、ここではモニターランプにLEDを使います。色は、充電が赤で放電を青にしました。どちらも3mmLEDの綺麗な光点をみせる透明度の高いシェルです

回路図は1セル分。1.5Ωの抵抗は2W以上のものを使う事
 



充電器や放電器に普通はこの様な電池ボックスは使っては駄目なのです。
接点抵抗が大きい為に正常な充放電が出来なくなります。内部抵抗の大きな不良電池と検出されて充電不可能なんて事もあり得るかも知れない

もちろんいろいろと探したのですが良さそうなのは見つからず、この端子に関しては最低最悪とも言えそうな電池ボックスを使えるように整えます。圧着されているだけの端子部位にワイヤーを直接に半田付けする。これだけで接点抵抗の心配はほとんど無くなる。この事でスペースがやや短くなるので、長めのAAセル(銘柄によってサイズは結構異なる)を設置して端子の位置を調整し、セルがやや圧迫された状態になる様にする

画像では+端子にハトメが使われているままだが、酸化被膜を作り易そうなブラスに見えたので、これもバラ売りされているバッテリー端子に変更した

この事は、充電電流,放電電流が流れる回路全体について該当する事なので、そうした部位で不用意にスイッチなどを使わないようにもする
 




ケースに充電回路を移植する。
メガネケーブルを使うので、ジャックとLED付のメインスイッチを取付ける

蓋の方には、電池ボックスと制御パネルが位置する


100Vは怖い

絶対にミスはしない様に念入りになる

コンセントプラグにもトラッキング防止のカバーを付ける。これはシュリンクチューブをカットして流用した。根元に接着剤を流してやれば尚いいのかも


制御部位はケースの表からボルトで固定するのだが、そのナットをパテに埋もれてしまうようにして固定する。
こうする事で、制御部位及び電池ボックスを本体側に残してケースの蓋を開ける事が出来る





電池ボックスの上に、タクトスイッチ,スライドスイッチ,終止電圧調整用の半固定抵抗を回す為の穴。
制御部位です





取り外してみた






机上。
乱雑にもなります





放電回路です
センターの辺りを空けているのはサーミスタの為で、
電池ボックスのその辺りを穴だらけにする




放電の為の負荷になる抵抗です

かなり高温になるのでヒートシンクをつけます




放電回路は電池ボックスの裏側に取付ける

スペースに余裕があるのか心配になってきたところ、、




ケーブルも結構、……






なんとかギリギリでいけそうです






市販のヒートシンクが厳ついので、
アルミ板で自作してみた





完成しました






折角なので古い充電池をリサイクル充電してみます

先ずは充電




そして放電

自己放電なので別電源は不要です




AAA(単四型)はアダプターを使って充放電します。
充電電流は、275/550/1100mAとスイッチで切替え


定格表をシール印刷して貼ってみた









試しにケースを開けてみる

その必要がありませんように、、



 



MH-C9000を買った方がよほど良いです(笑)

実際は、MH-C9000よりもこちらの方が手軽に扱えるので使用頻度は高いです。MH-C9000はマッチングする時ぐらいでしょうか。放電が出来て、低電流での充電が可能であれば、あまり困ることは無さそうです。1100mA充電(所謂急速充電)はAAでも使いません。痛み易いですし

容量を測定する機器が別にあれば、これで十分なんでしょうね
 




放電器の製作


冒頭にも記したが、回路はネットで見付けたもの(HERE)そのままであるから、動作原理や終止電圧調整方法等の詳細はここでは触れない。素晴らしいと思ったのは、
・外部電源不要
・完璧なオートカット
・終止電圧可変
・ディスクリート構成
・低予算

回路図は1セル分。1.5Ωの抵抗は2W以上のものを使う事。モニターランプはムギ球…

わたしが今迄使って来たのも自作の放電器だったけれど、コンパレータで放電電圧を検出するありがちなもので、厳密な終止電圧を設定出来るのものの、外部電源が必要だった。しかも、パワートランジスタで熱にエネルギー変換するというもので、本来的な使い方からすると、ちょっとイリーガルな気もしていた。
製作後は、無電源という手軽さもあって、こればかり使う様になった

出来ればムギ球などでは無く、LEDをモニターランプに使いたい。
HT7750, 7730などの昇圧回路は0.7V以上で駆動する事が出来るので、これを使えば、赤色でも青色,白色でもLEDをモニターランプにする事が出来る
 




右画像は100均の充電器である。案の定、中国製で、中身は極めて簡素というか、原始的なテーパーチャージ(準定電流充電方式)である。使用する充電池の容量に応じて充電時間を見計らって取り外すというもので、うっかり見過ごす事で簡単に過充電可能なもの。
尤も、0.1C程度の電流しか流れないので、少々のオーバータイムは平気なのだろう。でも、好い事じゃないよね

もちろん、これで充電したりはしない

ケース自体はなかなか可愛いので、これを放電器の為の電池ボックスにする
――否、シェルにしてしまうのだ

単三/単四型の共用が可能で、赤色LEDのパイロットランプがある







裏側には、コンセントプラグがあり、これを外してしまえば、排熱の為のエア・インテークにもなりそう

トランスが入っているスペースは比較的広く、ここに熱変換の為の抵抗を設置出来そうだ。
しかし、基盤があるスペースはとても狭い
 




これで、ニ回路分

左側が制御部で、充電器に元々あった基盤を適当にカットした箇所に配置

右側がパワートランジスタと放電負荷抵抗で、トランスの入っていた比較的広いスペースに設置した――こっちはかなりの高熱になるので、対流も考える必要がある。
隠れてしまったが、抵抗を取り付けた基盤面には銅板を貼り付けて接続部位にすると共に熱が回路側に伝わり難い(?)ようにしたつもり







内側に凹んでいた部分を切り抜いて、その場所にスイッチと終止電圧調整用のボリュームを配した


排熱穴を4つ開けた。下から上に対流が抜け易いのもあるのか、思った程には温度は上昇しない。抵抗真上の部位で50℃ぐらいかな

パイロットランプの赤色LEDは使えないので取り外して、全く同じ箇所に、パイロットランプのムギ球を設置した。白いシェルに暖色系のムギ球の発光は、写真では光がぼやけてしまっているが、なかなか品がいいかも
 




御感想でもありましたら
 


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